就活の自己分析 = 就職後の「やりたいこと(to do)」や「ありたい状態(to be)」を固めること
今回は、就活生がよくやる「自己分析」の話です。
OB訪問を受けていると、自己分析を甘いなあ…という学生をよく見かけます。
自己分析 ≠ 性格診断
自己分析 ≠ 自分の強み・弱みの理解
自己分析 ≠ 「ガクチカ」の発見・整理
就活サイトなどではこんな風に紹介されていますが、なんか違う・・と感じます。
これまで20名近くの学生からOB訪問を受けてきましたが、就職後のあり姿をしっかりと回答できる学生は10%以下です。
90%以上の学生が誤ったやり方で自己分析して、「将来のあり姿」や「就職後の目標」を曖昧にしたまま、就活を始めている印象です。
実際に「将来のあり姿は?」と聞くと、答えられない学生が大半です。
これは、一般的に就活サイト・就活本など言われている「自己分析」が、社会で求められていることとマッチしていないからでしょう。
冒頭でも書いたとおり、
就活の自己分析 = 就職後の「やりたいこと(to do)」や「ありたい状態(to be)」を固めること、です。
「やりたいこと(to do)」や「ありたい状態(to be)」を固めるとは何か?
やりたいこと(to do)は、入社後に具体的に会社でやりたいことです。
一般的に言われる「将来の目標」で、具体的なアクションに落ち仕込まれていることが重要。
しかし、やりたい事(to do)が決まっている学生は全体の約10-20%で、大半の学生は定まっていないのではないでしょうか。
社会人でも定まっていない人は沢山いますので、安心してください(笑)
そんな人は、ありたい状態(to be)を考えるのでOKです。
ありたい状態(to be)は、具体的なアクションにはなっていないが、どのような状態、環境、会社に身を置きたいか、です。
やりたい事(to do)が決まらない場合は、ありたい状態(to be)を考えてみましょう。
このサイトでは、To Have(欲しい物), Do(やりたいこと), Be(なりたい姿)の違いを説明しています。
「やりたいこと」や「ありたい状態」を固める理由、その重要性
<なぜ「やりたいこと」や「ありたい状態」を固める必要があるのか?>
1.ガクチカと志望理由を1つのストーリーにするため
2.採用担当者に自分が就職した後の姿を想像させるため
3.自分に”本当に”合った会社を見つけるため
ガクチカと志望理由を1つのストーリーにするため
これが最も重要な理由です。
「やりたいこと」や「ありたい状態」を起点として、志望理由とガクチカを説明すると、1つのストーリーラインに沿って、30分ほどの面接時間で自身のことを伝えることができます。
具体的にはこんな感じです。
<ストーリーラインの例>
将来のやりたい事:「海外で仕事がしたい」← これを先にきめる!将来のやりたいことはこれを説明
志望する会社:総合商社
高校生の時
・オーストラリアに一週間の交換留学をした
→ 何となく将来は海外で仕事がしたいと思った
大学生の時
・海外ボランティアサークルに入り、ベトナムで現地大学の学生と一緒に活動した ←ガクチカはこれを説明
→ 海外の人達と一丸になって仕事をする楽しさに気づいた
→ 同時に、様々な苦労をするなかで日本の素晴らしさを感じた
今
・海外で仕事ができる日系企業で働きたい
・日系企業で海外に強いのは総合商社なので、貴社を志望している ← 志望動機はこれを説明
将来
・将来、貴社で海外スタッフや海外パートナーと一緒に仕事がしたい
・高校生のときから思い描いていたことを実現したい
こんな風に説明すると、説明が一貫していて、説得力がでます。
大事なのは、「やりたいこと」や「ありたい状態」を最初に決めてから、その他のエピソードを考えることです。
順序が逆になると、ストリートラインが崩れて、ロジカルでなくなるので気を付けましょう。
採用担当者に自分が就職した後の姿を想像させる
採用担当者は、大勢の学生に会っています。
ウソを言う学生も多いので、学生に対して疑心暗鬼になっていますし、優秀すぎる学生に会うと「入社して直ぐ辞めないか。。」と心配になったりします。
<採用担当者が思っていること(一部)>
「この学生はウソを言っていないか」
「うちの会社に入った後、社風にフィットできるか」
「入社後に「思い描いていた仕事と違った」と言って辞めないか」
「やりたいこと」や「ありたい状態」を最初に決めてストーリーラインに沿って説明すれば、採用担当者も信頼してくれて、通過する確率が上がります。
自分に”本当に”合った会社を見つけることができる
就活生は、誰もがこういったことを思うのでは。
・有名な会社に入りたい
・給料が高い会社に入りたい
・残業がすくない会社に入りたい
しっかりと考えてこういった会社に入るのはいいですが、最初からこれだけ考えて志望企業を選ぶのは危険だと思います。
会社に入ってから「思いっていた仕事と違った・・・」とならないように、「やりたいこと」や「ありたい状態」を考えておきましょう。
自己分析とストーリーライン作成の手順
<自己分析とストーリーライン作成の手順>
1.将来の「やりたいこと」や「ありたい状態」を決める
↓
2.それに至った過去の経験、エピソードを整理
↓
3.そこから「ガクチカ」を抽出
↓
4.志望企業をきめる
↓
5.「やりたいこと」や「ありたい状態」がその企業でないと本当に実現出来ないか深堀りする
例1:「海外で仕事がしたい」自動車メーカーでも実現できるのでは?総合商社ならではの特徴は?
例2: 「エコカーを作りたい」トヨタでなくてホンダでも実現可能では?
↓
6.企業の特徴、他業種、競合他社との違いを調べる(まずはデスクトップリサーチ)
↓
7.OB・OG訪問で企業の情報を深く知る
↓
8.5ー7を踏まえて志望理由を決める
↓
9.ESに将来の「やりたいこと」「ありたい状態」、ガクチカ、志望理由を書く
↓
10. 面接で同じことを臨場感をもって説明
↓
11.内定獲得!
これでストーリーラインは完成です。
まとめ:自己分析はやり方と目的が大事
自己分析は、ESや面接、そして自分のキャリアを決めるために重要です。
特に、ES・面接のストーリーラインを固める上で重要ですので、正しいやり方で進めましょう。
以上。
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