【ゼロから分かる】為替とは?円安・円高とは何か?

為替とは?

経済や金融の世界では、為替=「自国通貨の相対的な価値、交換比率」を意味することが多いです。

「為替」を辞書で調べると以下の意味が出てきますが、「今日、円の為替いくら?」と言うように日常生活では特定の通貨と他通貨の交換比率(ex.1ドル=130円)を言い表すことが多いです

1 遠く隔たった者の間に生じた金銭上の債権・債務の決済または資金移動を、現金の輸送によらずに行う仕組み。現在では、内国為替と外国為替、送金為替と取立為替などに分類される。

2 「為替手形」の略。

3 為替に関する業務。

4 取り替わすこと。ひきかえ。交換。

goo辞書

為替は、日本では江戸時代に遠方にいる顧客と取引する際、盗難を防ぐために為替(手形)を両替商と交換して決済していたことが起源と言われています(これは辞書の2.の意味)。

「手形」とはビジネスの世界では、取引先と合意した期日に券面に記載された金額を支払うことを約束した証書、つまり会社・個人間の債権、債務の証書を意味します。

江戸時代には金貨、銀貨が通貨として流通していましたが、例えば大阪から江戸に大金を運ぶのは大仕事になりますし、移動中に盗難に遭うリスクも高いため、為替手形を通貨と同様のあるものと認定し、大阪から持ってきた為替手形を江戸の両替商で換金していたそうです。

ここ最近は電子決済が広まり、取引データの電子化が進んだため、江戸時代にルーツがある為替手形や他手形(支払手形、約束手形)はビジネスの世界で殆ど使われる場面はなくなりました。

為替=「自国通貨の相対的な価値、他通貨との交換比率」と覚えておけば問題ないです。

円高・円安とは?

円高とは、他国通貨に対して円の価値が上がること、一方で、円安とは、他国通貨に対して円の価値が下がることを意味します

例えば、今のドル円為替が1ドル=100円だとすると、1年後に1ドル=120円になっていれば1ドルを手に入れるために必要な円が100→120円に増えているため、ドルに対して円の価値が落ちた=円安になったと言えます。逆に、1年後に1ドル=80円になれば、1ドルに必要な円が100→80円に減っていますので、ドルに対して円の価値が上がった=円高になったと言えます。

数字が100→120円に増えたのに円「安」と呼び、100→80円と減ったのに円「高」と言うのは違和感があるかもしれません。その時は、1ドル=XXX円ではなく、1円=0.0YYYドルで考えてみると分かりやすいです。このように考えれば、1ドル=120円はドルに対して円の価値が下がっており、1ドル=80円はドルに対して円の価値が上がっているのが分かり易いかと思います。

1ドル=100円 = 1円=0.01ドル → 1ドル=120円 = 1円 ≒ 0.0083333…ドル ・・・円安
1ドル=100円 = 1円=0.01ドル → 1ドル=80円 = 1円=0.0125ドル ・・・円高

因みに、日本人同士がビジネスの場面で”為替”と言う単語を使う場合、米国ドルと円の為替(=交換比率)を指すことが多いです。他国の為替レートを指す場合は「ユーロ為替」「豪ドル為替」と為替の前に通貨名を付けることが多いです。

下表は過去30年のドル円為替の推移です。

出典:usajpn.com アメリカ生活 教育情報

円高・円安は、基本的には特定の時期と比べた相対的な「高い」「安い」を意味します。

例えば、その日の朝から夕方にかけて為替が1ドル=130→131円に動いた時は「円安に動いたな」と言います。100円台を下回っていた10年前の為替と比べると130円も131円も円安なわけですが、上記の文脈は1日の値動きを指しているので正しい使い方です。

基軸通貨とクロスレート

今の世界では、米国ドルを基軸通貨としています。基軸通貨とは、国際通貨制度において基軸となる通貨です。基軸通貨には、その国の国力(経済力、影響力、軍事力)と信用度の高さを背景とした通貨への信用度が必要とされており、現在その条件を最も満たしているのが米国(ドル)です。また、国際貿易においても、様々な通貨を使うと不便ですのでドルを使うことが多いです。

各国の為替においても、ドルを基軸通貨として各国の取引レートを相対的に計算するクロスレートが採用されています。

円とユーロ、円とブラジルレアル、円とタイバーツの為替を個別に決めると非常に煩雑なため、個別には決めず、各通貨とドルの為替から計算します。例えば、1ドル=130円、1ドル=35バーツの場合、バーツ円為替は1バーツ=130÷35=3.71428…円と計算されます。

米国以外の国の通貨にはクロスレートが採用されているため、円がバーツに対して安くなった際には、ドルバーツ、ドル円どちらの為替が影響しているのか精査する必要があります。

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